全脳科学帳

これを好む者はこれを楽しむ者に如かず

色覚異常(1) カーナビ

昨年、家族で北海道に旅行に行った。札幌→洞爺湖→函館と移動し、函館では市内をレンタカーでまわった。妻はペーパードライバーなので、今のところ運転はもっぱら私の役目である。

最近のレンタカーには無料でカーナビがついていることが多い。方向音痴の私にはもはや必需品。自宅の車でも普段から完全にカーナビに頼って運転している。

ところが、函館で乗ったレンタカーのカーナビにはいささかてこずった。地図上で走るべき道を示す線とそれ以外の道の色が似ていて、運転中にパッと見た時に見分けがつかないのである。じーっと見ているとなんとなく見分けがついてくるが、運転中にそんなことをするわけにはいかない。

見分けがつかない原因ははっきりしている。私が赤緑色弱だからである。妻は全然問題なく区別できるという。多分赤っぽい色と緑っぽい色になっているのだろう。結局、曲がるたびにいちいち画面を指して妻に「この道?」と聞きながら運転することになってしまった。危なくてしょうがない。

私の色弱は軽度なもので、日常生活で不便を感じることはほとんどなかったので、カーナビの道の色が区別できなかったのはちょっとショックだった。

とはいえこれまでにも、たとえば電車の時刻表で赤の数字が急行、緑が準急になっている場合に色合いによっては両者が見分けられなくて困ったことが何度かあった。あと、Microsoft Wordなどで間違ったつづりやおかしな文を入力すると単語や文の下に波線が出るが、その波線に赤と緑の2種類あることに長い間気づかなかった。どちらのケースも私の感覚からは、なぜ赤と緑という区別しにくい色にわざわざしているのか理解に苦しむのだが、普通の人には特に問題ないのだろう。発光ダイオード(LED)の色分けのほとんどが赤と緑なのも困ったものである。青色ダイオードがもっと普及してほしい。

色覚異常の検査によく使われる石原式色覚検査表を用いると差は如実に表れる。検索してみると、石原式の画像を載せているページがいくつかあった。私の見え方は以下の通り。

これまで意識したりしなかったりしながらつき合ってきた色覚異常について、何回かに渡って書いてみたい。私はまあ大過なくやってきたのだが、以下のタイミングでは色覚異常を意識せざるをえなかった。

  • 発覚
  • 進学
  • 就職
  • 結婚
  • 子供への遺伝

これらを順に書いていこうと思う。

(つづく)