全脳科学帳

これを好む者はこれを楽しむ者に如かず

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

連続性と微分可能性 (1)

実関数 が で連続であるとは、極限 が存在して に等しくなることをいう。もっとちゃんと言うと、任意の に対して が存在して、 ならば となることである。 関数 が で微分可能であるとは、微分係数 が(有限の値として)存在することをいう。 で微分可能である…

負の数と負の数を掛けるとなぜ正の数になるのか

あるセミナー(数学とは関係ない)で講師の人が何かの例を説明する時に「マイナスとマイナスを掛けるとプラスになりますからね」と言ったら、参加者の一人から「なつかしい!」という声が上がったことがあった。「そうか、なつかしいのか…」と妙に感心してしま…

eが超越数であることの証明

(ネイピア数、自然対数の底)が超越数であることは、1873年にシャルル・エルミートによって証明された。つまり は有理数係数(整数係数としても同じ)の代数方程式の解とならない数である。その証明は相当ややこしい。 私はこの動画を観て自分のノートにまとめ…

フィボナッチ数列の一般項を求める

フィボナッチ数列は、 という漸化式で与えられる数列。具体的な値は、 である。この数列の一般項を知った時は驚いた。 「数学ガール」(シリーズ第1作)では母関数を用いて一般項を導出していたが、等比数列に帰着する方法でガリガリと求めることもできる。 が…

素数の逆数和 その2

素数の逆数和が発散することをレオンハルト・オイラーが最初に示した時の証明を調べてみた。エルデシュの証明と同じく、これで素数が無限に存在することも言える。「素数が無限に存在することの証明(4)」で書いたオイラーの証明と同じアプローチを使っている…

素数が無限に存在することの証明 (6) 〜 素数の逆数和 その1 〜

6つ目の証明は、ポール・エルデシュによるもの。生涯に約1500本もの論文を発表したことや、それらの多くが共著だったことで知られる人。この証明では、素数の逆数の和が無限大に発散することを示す。素数が有限個しか存在しないなら逆数の和は有限の値になる…