5つ目の証明はゴールドバッハによるもの。フェルマー数を使う。フェルマー数とは で表される数のことで、
に対して
である。
証明
まず、以下の補題を証明する。
補題
任意の に対して
である。
補題の証明
数学的帰納法で証明する。まず のとき、
、
であるから成り立つ。
で成り立つとき、
であり、
となるので、 でも成り立つ。したがって補題が証明された。
さて、任意の異なるフェルマー数
に対して、補題から
(
は自然数) と書ける。
の任意の素因数
をとると、フェルマー数の定義から
は奇数なので
である。すると上式から、
を
で割った余りは2であり、
は
で割り切れない。このことから
と
は共通の素因数を持たない。つまりフェルマー数はすべて互いに素である。
すると、任意の自然数
に対して
は少なくとも
個の素因数を持つ。すなわちどんな
に対してもそれより大きな個数の素数が存在する。したがって素数が無限に存在することが示された。(証明終)
もともとフェルマー数はすべて素数なのではないかと言われていた(実際にはたとえば は合成数)ぐらいなので、フェルマー数の列が無限に素数を生成するのではないかというのは自然な着眼点なのかも。
今回も、背理法を使わない証明を書いてみた。